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プロジェクトストーリー 2026.05.13

食イベントが生み出す熱狂を増幅させる― TOWの企画力とブルースモービルのノウハウの融合​

ブルースモービル 代表取締役 プロデューサー / 井上淳矢
ブルースモービル 取締役 プロデューサー / 西川達馬

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リアル体験市場で食フェスが注目を集める中、2026年4月にフードフェス主催大手のブルースモービルがTOWにジョイン。今後の協業にどのような可能性を見出しているのか、2人のリーダーに話を聞いた。

PROFILE
井上淳矢 Junya Inoue
ブルースモービル 代表取締役 プロデューサー

テレビ番組の企画・制作を起点にキャリアを重ね、フードフェス黎明期から現場を切り拓いてきたブルースモービル代表。「大つけ麺博」をはじめ数々の食イベントを手がけ、生活者の熱狂を生む場づくりを推進。リアルな場で人の笑顔に直接触れられる体験価値を大切にしている。

西川達馬 Tatsuma Nishikawa
ブルースモービル 取締役 プロデューサー

TOWの企業マーケティング領域で培った視点を生かし、ブランドと生活者の接点づくりに向き合ってきたプロデューサー。ブルースモービルとの協業では、主催事業が生み出す生活者の熱狂とTOWの企画力を接続し、食を起点とした体験デザインや地域活性の可能性を広げる役割を担う。

TOWへのジョインはメジャーデビュー!

―― まずは、ブルースモービルがフードフェス主催事業を始めた経緯を教えてください。

井上現在手がけている事業の約9割はフードフェス関連ですが、残りの1割はテレビ番組の企画・制作などで、ブルースモービルはその映像事業からスタートしました。食に関わるようになったのも、僕がディレクターとして独立した後に担当したラーメン食べ歩き番組がきっかけでした。あるラーメン店の社長と仲良くなって飲んだとき、会話の流れで「つけ麺イベント、おもしろいんじゃない?」となったんです。当時はつけ麺が流行り始めた頃でした。

写真左:ブルースモービル 代表取締役 プロデューサー 井上淳矢/写真右:ブルースモービル 取締役 プロデューサー 西川達馬

―― それがフェス事業の第一歩ですか?

井上計画的だったわけではありません。つけ麺イベントも、「何かやりましょうよ!」と口をついて出たノリのようなもので、おもしろそうだから自分で企画書を書いてみたんです。それで方々に当たっていたら、まだフードフェスがほとんどなかった時期にもかかわらず、運よくテレビ局の担当者の目に留まって。そうして2009年に実際のイベントを開催することになりました。

―― イベント主催のノウハウを持っていたのですか?

井上テレビ制作が専門だったので、当時は皆無です。けれどテレビ局が主催してくれることになったので、慌てて調理器具やプレハブのレンタル業者、ガス屋を駆け回り、何とか開催にこぎ着けました。この頃のパートナーや協力会社が今も支援してくれているおかげで、年間30本のイベントを主催できるまでになりました。

―― フードフェスの魅力とは?

井上様々なお店の料理を1箇所で食べられることは魅力ですし、そんな喜びからお客さんの笑顔を間近で見られるところです。テレビも、視聴率やSNSなどで反応を知ることはできます。けれどリアルイベントは、人の感動に直接触れられる。それがいちばん楽しいですね。

西川この前、井上さんにテレビとフェスのつくり方の違いをたずねたら、コンテンツをつくって人を楽しませるエンタメの醍醐味は同じだと答えてくれました。

井上フードフェス事業への移行は、実は映像チームもすんなり受け入れてくれたんです。彼らも様々な現場に足を運んできた中で、人を楽しませるコンテンツづくりをやってみたい気持ちがあったんだと思います。

―― 井上さんはTOWへのジョインをどう捉えていますか?

井上メジャーデビュー、という感覚ですね。東新宿が拠点だったインディーズバンドみたいな僕らが神谷町に進出して、いよいよ武道館で勝負できるかもしれない、という気分です。リアルな話をすると、さらに成長するための強力な一手を模索していたときにTOWと出会えたのが大きかった。最終的なジョインの決め手は、村津社長と、後にTOWからブルースモービルに出向してくれる西川さんが、僕らのフェス現場に2回も足を運んでくれたことです。ちゃんと向き合ってくれるとわかって、いっしょにやっていける実感を得られました。

アプローチや視点の違いを補完し合うことで企画のつくり方が変わる

―― 西川さんに聞きます。ブルースモービルと協業するTOW側の意図や目的とは?

西川TOWは、主に企業マーケティングを軸に、生活者とブランドのコネクションをつくる業務を行っています。一方で、ブルースモービルが手がけてきた、リアルな生活者との対峙から生まれる熱狂のつくり方には、企業イベントだけでは気づけない学びがあるかもしれない。それを知り、ともに手を組んで新しいイベントを創造していくことが、今回の協業の意図であり目的です。

―― どんな効果を期待していますか?

西川一つは企画のつくり方の変化です。TOWは商品やブランドからイベント企画のアクションを起こす。ブルースモービルは、主催者としてお客さんをどう喜ばせるかを起点にイベントを企画する。着地点は同じでも、アプローチが違うんです。そうした両者の経験値と文化、つまり企業視点に立ったTOWの企画力と、生活者視点でイベントを主催してきたブルースモービルのノウハウの融合こそが、今回の合流のもっとも重要な意味になります。

―― イベント企画において、食は魅力的ですか?

西川人間の根源的な欲求に関わるものですから、誰に対しても間口を広げやすいですよね。最近は、ごはんがおいしい音楽フェスも増えていますし。

井上食は、何かと組み合わせたときの相性が抜群なんです。ただ、誰に向けてイベントを行うのかについては、今後も西川さんと検討していきたいと思っています。というのも、僕らもスポンサー付きのイベントを手がけてきた中で、実際にはお客さんが入っていなくても、内部的にはスポンサーの目的が達成できれば成功とされてきた現状に何度も立ち会ってきました。けれど、僕らにとっては、喜ばせるべきお客さんがいなければ失敗です。誰を満足させるべきなのか、そこを見失わないようにしたいんですね。

西川それもまた、アプローチや視点の違いですよね。互いに補完し合うことで企画のつくり方が変わり、TOWが常に目指している、これまでにない体験デザインが見えてくるんじゃないでしょうか。この協業の相乗効果として、ブルースモービルのルーティンイベントを、TOWの新たなメディアにしていきたいというイメージを持っています。

地方活性化や遊休地活用にも広がる、食イベントの可能性

―― 始まったばかりの協業ですが、進めたいプランにはどんなものがありますか?

西川具体的なところでは、地方活性化と、それにつながる遊休地活用です。すでにブルースモービルは、各地の地方自治体と組んで、東京のラーメン店を招くイベントを主催しています。また、イベントを単発で終わらせないために、商工会議所や新聞社と連携し、地域経済への波及効果を数値化する取り組みも行っています。東京でも「新宿地下ラーメン」と称して、一つの店舗で定期的にラーメン店が入れ替わるポップアップ型のイベントを展開中です。これも、地方の駅前などで設備の整った拠点が見つかれば、全国各地で実施できるはずです。

井上町に合わせて企画することが大事ですね。現在、2026年5月から6月に開催される「八街!激うま!ラーメン祭」が進行中です。2026年に千葉県が落花生導入150周年を迎えることから、名産地である八街の記念認定事業に、僕らのフェスが選ばれました。参加する32のラーメン店には、落花生を使ったトッピングを考えてもらっています。

西川ブルースモービルのノウハウで特筆すべきは、行政と組むことで、人々の生活導線上にある公園などでもイベントを開催できる点です。八街の件は、まさにその好例です。プロモーションイベントの場合、地方で実施するとしても、特定の会場に限定されがちなんですよね。

井上ある程度の自由度を持ってイベント拠点が増えれば、ラーメン業界も盛り上がり、必然的にプラスアルファの収入が得られます。そこに僕らも貢献できるのではないかと思っています。

西川イベント開催地には、経済効果ももたらせますよね。

井上僕らの「大つけ麺博」と「TOKYO RAMEN SHOW」のコラボで、「日本ご当地ラーメン総選挙」というイベントをやっているのですが、2023年大会で酒田ラーメンが優勝した際には、それを目当てに訪れる人たちによって、地元に4億円の経済効果が出たそうです。

西川それは地方活性化の原動力になりますよね。僕は、人の本能的な熱狂を生み出すことを体験デザインだと考えていますが、やはり生活者と直に向き合う食のイベントが生み出す熱狂には、大きな可能性を感じずにはいられません。

―― ジョインしたばかりの井上さんが考える体験デザインとは?

井上お客さまの笑顔をつくること。体験した人が喜んでくれることが、僕らの喜びであり、やりがいです。

photo: 後藤 薫
Interview&Text: 田村 十七男

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