なぜ今、TOWグループは「体験デザイン」を起点にするのか。 プロモーションも、リアルエンタメも、その起点にあるもの。 代表取締役社長・村津憲一 × 統括執行役員・海老根俊一 対談
株式会社テー・オー・ダブリュー
代表取締役社長 / 村津 憲一
株式会社テー・オー・ダブリュー
統括執行役員 グループ体験デザイン担当 / 海老根 俊一
「広告が届きにくくなった」と言われる時代。
生活者は、ただ情報を受け取るのではなく、自ら選び、参加し、共感し、語りたくなる“体験”を求めている。
TOWグループが長年大切にしてきた「体験デザイン」という考え方は、単なるイベントやプロモーションの手法ではない。
クライアントの課題と生活者の感情、その両方を深く理解し、人のココロとカラダを動かす体験へと昇華させる——TOWグループの根幹にあるDNAだ。
そして今、TOWグループは、その体験デザインを起点に、プロモーションとリアルエンタメを横断する“エクスペリエンス・パートナー”へ進化しようとしている。
代表取締役社長・村津憲一と、51期よりグループ体験デザイン推進を担う統括執行役員・海老根俊一が、「体験デザイン」の本質と、その未来について語り合った。
代表取締役社長
株式会社テー・オー・ダブリュー 代表取締役社長
2000年TOW入社。第一本部長、体験デザイン本部長などを歴任したのち、2020年代表取締役副社長 兼 COO就任。2022年1月より代表取締役社長(現任)。
統括執行役員 グループ体験デザイン担当
プランナーとしてキャリアをスタートし、体験デザイン本部長を経て、現在はグループ体験デザイン担当役員として全社グループの体験デザインをけん引する。
なぜ今、「体験デザイン」が必要なのか
── TOWグループは長年「体験デザイン」という言葉を使い続けています。改めて、なぜ今この考え方が重要なのでしょうか。
村津昔に比べて、広告だけで人の心を動かすことが難しくなっていると思います。
SNSが普及し、生活者自身が情報を選び、発信し、共感を広げていく時代になった。
だからこそ、「見てもらう」だけではなく、「参加したくなる」「誰かに話したくなる」「共有したくなる」体験をどう設計するかが、ブランドにとって重要になっています。
──“情報を届ける”から、“体験に参加してもらう”へ変わってきている、ということですね。
村津そうですね。私たちは創業時のイベント会社から、プロモーション会社へ、そして今は「プロモーションとリアルエンタメを横断するエクスペリエンス・パートナー」を目指しています。
でも、その変化の中でも、一貫して変わらなかった軸が「体験デザイン」です。
── TOWグループにとって、「体験デザイン」は単なるイベントづくりではない、と。
村津はい。体験をつくること自体が目的ではなく、体験を通じて生活者の感情を動かし、行動を生み、その結果としてクライアントのブランド価値や事業成長につなげる。そこまで責任を持つことが、私たちが考える体験デザインです。
海老根現場でも、その感覚はずっと変わっていません。
「良いイベントだった」で終わるのではなく、
・生活者は本当に心を動かされたか
・その体験は行動につながったか
・SNSや映像を通じて広がっていくか
・クライアント成果に結びついたか
まで問い続ける。
── 単なる“イベント成功”ではなく、その先の行動や広がりまで見ているんですね。
海老根そうですね。TOWグループには、プロデューサー・プランナー・グループ会社含め、プロジェクト単位で自然とそれを考える文化がある。
だからDNAという表現がしっくり来るんだと思います。
クライアントの成果と、生活者のワクワクが交わるところ
── TOWグループの体験デザインが目指しているのは、具体的にどんな状態ですか。
海老根クライアントのブランド価値向上・事業成長と、生活者の感動・共感・ワクワク。
この2つが同時に成立している状態だと思っています。
どちらかに偏ると成立しない。
クライアント成果だけを追えば、「見てもらえない広告っぽい体験」になる。
逆に、楽しさだけを追えば、「面白かった」で終わってしまうんです。
── “クライアント成果”と“生活者の熱量”、その両方が必要なんですね。
海老根TOWグループでは、その両方が重なるポイントを「体験デザイン」として捉えています。
クライアント課題にどう向き合うか。
生活者をどう理解するか。
リアル・デジタル・映像をどう統合し、ひとつのコミュニケーションとして成立させるか。
そのすべてを考え抜きながら、「人が動く理由」を設計していく。
そこに、TOWグループの体験デザインの本質があると思っています。
── “体験をつくる”というより、“人が動く理由を設計する”という感覚に近いんですね。
海老根まさにそうだと思います。
単に話題化するだけではなく、その体験がどう記憶に残り、どう行動につながるかまで考えているんです。
村津要するに、“成果”と“WOW”を同時に実現できているか、ということですよね。
生活者の熱量がSNSやリアルの会話で自然と広がっていき、クライアントから「またお願いしたい」だけでなく、「次は何を一緒にできるか考えたい」と言っていただける。
そういう関係性を増やしていくことが、エクスペリエンス・パートナーとして選ばれ続けることにつながると思っています。
なぜTOWグループは、体験デザインに強いのか
── TOWグループならではの強みは、どこにあると思いますか。
村津一つは、「リアル」と「デジタル」「映像」を分断して考えていないことだと思います。
例えばリアルイベントひとつをとっても、
・どうSNSで話題になるのか
・どう映像化されるのか
・どうUGCが生まれるのか
・どう配信と連動するのか
・どうリアル来場以外にも体験価値を広げるのか
まで含めて設計しています。
── “イベントを実施する”ではなく、その後どう広がっていくかまで設計しているんですね。
村津そうですね。リアルだけでも、デジタルだけでもない。
生活者の行動ストーリー全体を見ながら体験を設計していることが、TOWグループの特徴だと思います。
海老根加えて、TOWグループは「プランニング」と「プロデュース」の距離感が近い。
── そこは、TOWグループならではの特徴かもしれませんね。
海老根そう思います。アイデアだけで終わらず、実際に人がどう動き、どんな感情が生まれ、どんな熱量が広がっていくのかまで含めて考える文化があります。
リアルの現場空気だけではなく、SNSでどう語られるか、映像としてどう切り取られるか、配信でどう伝わるか、インフルエンサーやPRによってどう拡散されるかまで含めて設計しています。
── “体験そのもの”だけではなく、“どう広がるか”まで含めてデザインしている、と。
海老根特に最近は、リアル体験単体ではなく、デジタル・映像・SNS・配信・OOH・PRなどを横断しながら、リアルとデジタルをシームレスにつなぐ案件が増えています。
だからこそ、TOWグループの仕事は「イベント」ではなく、「統合体験設計」に近づいていると思っています。
── “イベント会社”という言葉では、もう収まりきらなくなってきているんですね。
村津プロモーションの領域でも、リアルエンタメの領域でも、結局求められているのは、“人が動く理由”をつくれるかどうかなんですよね。
そこに向き合い続けてきたことが、今のTOWグループにつながっていると思います。
プロモーションとリアルエンタメを横断するということ
── TOWグループは今、「プロモーション」と「リアルエンタメ」の両方を強化しています。この2つは、どのようにつながっているのでしょうか。
海老根僕らは、プロモーションとリアルエンタメを別物だとは考えていません。
どちらも、「人の感情を動かし、行動を生む体験をどう設計するか」という点では、本質的には同じだと思っています。
── 一見すると違う領域にも見えますが、根っこは同じなんですね。
海老根そうですね。プロモーションで培ってきた、クライアント課題への向き合い方や、生活者理解、リアル×デジタル統合の発想は、リアルエンタメにも活きる。
一方で、リアルエンタメで求められる熱狂や能動参加、没入感やコミュニティ形成の発想は、プロモーションの体験価値をさらに進化させる。
── “伝える”だけではなく、“熱量を生む”ことが重要になってきている、と。
海老根その両方が循環することで、TOWグループの体験デザインはもっと強くなっていくと思っています。
── プロモーションとリアルエンタメを行き来することで、体験そのものがアップデートされていくんですね。
村津だから私たちにとってリアルエンタメは、単なる新規事業ではないんです。
── “新しいことを始めた”というより、これまでやってきたことの延長線上にある、と。
村津はい。TOWグループが長年向き合ってきた「体験デザイン」という考え方を、さらに進化・拡張していくものだと思っています。
その中で、デジタルや映像、IP、音楽、スポーツ、食、都市体験など、様々な領域を横断しながら、新しい時代の体験価値をつくっていきたいですね。
「新しい時代の体験を創る」ために
── 最後に、この記事をご覧の皆さんへメッセージをお願いします。
村津TOWグループはこれからも、体験デザインを起点に、人のココロとカラダを動かす体験価値を追求していきたいと思っています。
プロモーションも、リアルエンタメも、デジタルも、映像も。
領域を横断しながら、クライアントの成果と、生活者の感動・共感・ワクワクを両立させていく。
それが、私たちが掲げる「新しい時代の体験を創る」につながっていると思っています。
海老根今回の対談を通じて改めて感じたのは、TOWグループの面白さも、強さも、全部この「体験デザイン」に繋がっているということです。
クライアントの課題と、生活者の感情、その交点を探し続けること。
そして、もっとクオリティの高い体験をつくり続けること。
TOWグループ全体で、体験デザインをさらに進化させながら、「新しい時代の体験」を創っていきたいですね。
※2026年6月時点の情報です。
photo: 後藤 薫
Interview&Text: 村松 亮