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プロジェクトストーリー 2026.08.31

【リアルエンタメユニット INSIGHT】IPを"使う"から、IPと"つくる"へ。 ― リアルエンタメユニットが語る、IPとファンをつなぐプロデュースの裏側

第一本部 副本部長 プロデューサー / 徳井健太

第一本部 プロデューサー / 山口歩佳

体験デザイン本部 プランナー / 若松俊哉

  • #IP・コンテンツ
  • #プロデュース
  • #リアルエンタメ
  • #体験デザイン

「人気IPと組めば、イベントは成功する。」
そんなイメージを持たれることがあります。しかし、実際の現場では、IPの魅力を最大限に引き出し、ファンに「来てよかった」と思ってもらうために、数多くの試行錯誤が重ねられています。

TOWでは今回「リアルエンタメユニット トークイベント『IP篇』」を開催しました。
当日は、リアルイベントユニット IPコンテンツチームのリーダー徳井健太、IPを活用したプロジェクトを多く手掛ける プランナー若松俊哉、プロデューサー山口歩佳の3名が登壇。

これまで携わってきたプロジェクトを振り返りながら、IP案件ならではの企画づくりや、現場で大切にしている考え方について語りました。

今回のトークで共通していたのは、「IPを使うこと」が目的ではなく、「IPの魅力をどう体験へと変えていくか」という視点です。
イベントの裏側では、どのようなことが考えられているのか。印象的だったトークを紹介します。

PROFILE
徳井健太
第一本部 副本部長 プロデューサー
山口歩佳
第一本部 プロデューサー
若松俊哉
体験デザイン本部 プランナー

人気IPだから成功する――とは限らない。

IPを活用したイベントというと、「人気作品だから人が集まる」「話題になるから成功する」と思われがちです。

しかし、リアルエンタメユニットでは、その考え方に少し違う視点が示されました。若松は、IP案件では「IPを使う」のではなく、「IPと一緒に体験をつくる」という意識が大切だと語ります。

若松「企業がやりたいことだけをIPに乗せても、いい企画にはなりません。企業にも目的がありますし、IPにも大切にしている世界観があります。その接点を探すことが企画のスタートなんです。」

企業が伝えたいこと、IPが守りたい世界観、そして作品を愛するファンの期待。この3つの視点をどう結びつけるかが、IPイベントの成功を左右する重要なポイント。

人気IPだから成功するのではなく、それぞれの想いを丁寧につなぎ合わせた先に、「また参加したい」と思ってもらえる体験が生まれる。若松の言葉からは、そんなIPプロデュースの本質が伝わってきました。

「レギュレーション」は、作品を守るためのもの。

IP案件に携わる中で、多くの人が最初に驚くのが、レギュレーションの細かさです。

キャラクターの表情や色使い、背景の表現など、一つひとつに細かなルールが定められており、「自由に企画ができない」と感じることもあります。

しかし、リアルエンタメユニットでは、その見方が変わるような話がありました。

山口は、IP案件を経験する中で、レギュレーションに対する考え方が大きく変わったと言います。

山口「レギュレーションを読み込んでいくと、『作品を守るために必要なことなんだ』と分かってくるんです。作品には長い時間をかけて築かれた世界観があり、それを大切にしているファンがいます。レギュレーションは、その世界観を守り、作品の魅力を正しく伝えるための”共通言語”でもあります。また、作品への理解は提案にも自然と表れます。」

若松は、IPホルダーとの打ち合わせを振り返りながら、こんなエピソードを紹介しました。

若松「担当者は、『この人は本当に作品を理解しているかな』という目で提案を見ています。そこは、ごまかせない部分ですね。企画力はもちろん大切ですが、それ以上に求められるのは、作品への理解とリスペクト。その姿勢があるからこそ、IPホルダーとの信頼関係が生まれ、新しい体験づくりへとつながっていきます。」

「面白い」だけでは、有料イベントは成立しない。

有料イベントでは、「面白そう」というだけでは参加を決めてもらえません。

参加費を払ってでも足を運びたいと思える理由や、その価格に見合う体験価値を感じてもらえるかどうかが重要になります。

若松は、企画中に何度も議論になったテーマを紹介しました。

若松「『この価格で、本当に満足してもらえるかな』という話は、何度もしました。参加者は、イベントだけでなく、映画やゲーム、旅行など、さまざまなエンターテインメントと時間やお金の使い方を比較しています。だからこそ考えるべきなのは、「いくらにするか」ではなく、「どんな体験なら、この時間とお金を使いたいと思ってもらえるか」ということ。演出やコンテンツだけでなく、会場で過ごす時間やイベント全体を通じた満足感まで含めて設計することが、有料イベントの価値につながります。」

「面白い」だけで終わらせず、「また参加したい」と思ってもらえる体験をつくること。その視点こそが、有料イベントを成功へ導く大切なポイントのようです。

IPイベントの主役は、「IP」でも「運営」でもない。

今回のリアルエンタメユニットでは、IPとの向き合い方、作品理解、有料イベントなど、さまざまなテーマが語られました。

一見すると異なる話題ですが、その根底にあったのは、「相手の立場に立って考える」という共通の姿勢です。

徳井「IP案件って、つい『人気だから』『話題になるから』という理由で考えてしまいがちなんです。でも、それだけでは長く愛される体験にはならないと思っています。まず大事なのは、『なぜこのIPでやるのか』を自分たちがきちんと説明できること。その上で、作品を深く理解し、世界観やキャラクターを尊重しながら、ファンが本当に喜ぶ体験を設計していく。さらに、広告主とIPホルダー、それぞれが実現したいことを理解し、その間に立って橋渡しをしながらプロジェクトを前に進めていくことも、僕たちの大切な役割です。そうして、IP、クライアント、そしてファンという三者をつなぎ、『来てよかった』『また参加したい』と思える時間をつくること。それこそが、IPイベントの本質であり、リアルエンタメの面白さなのだと思っています。」

華やかなイベントの裏側には、人の気持ちを丁寧に想像しながら体験を設計する仕事があります。今回の「リアルエンタメユニット トークイベント(IP篇)」は、その仕事の本質と、IPの価値を新たな体験へとつないでいく面白さを、改めて教えてくれる時間となりました。

※2026年8月時点の情報です。

Photo:山村優人
Text:村松亮

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